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2019-02-06

キノママchair

京都産合板を製造する過程で発生する、桧の芯材を使った椅子です。

合板製造は、杉や桧の丸太をロータリーレースという機械にかけ、薄くかつら剥きにし接着剤で張り合わせて作られます。丸太は最後まで剥き切ることはできず直径 40mm ほどの 芯材が残ります。通常、この芯材は粉砕され木質ペレットやチップの原料として使用されます。その芯材を適度な長さにカットし、パラシュート用の高張力コードで連結しました。程良くテンションを掛けられたスダレ状の形態は、渦巻き状に巻き取り直立させればスツールに、渦巻きを横たえ一部に腰を掛ければ座椅子に、折り重ねればあぐら椅子、といった具合に、使う人の好みに合わせ様々な形にアレンジ可能です。桧の風合いや香りは家屋の柱や梁に共通の表情を見せ、また低く構えた座面は和のスケールに親密で、使う人の遺伝子をくすぐる存在です

最後まで、木を木らしく「木のまま」利用し、使う人の「気のまま」に形を変える … そんな「キノママ」な提案です。

2017年11月 第一回WOODYコンテスト 家具部門 優秀賞受賞作品

共同制作:萬代製作所 萬代 英志
撮影:Pace & Space 鈴木 健太

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